Sasha BLOG

Sashaの療育日記

学校生活の工夫

小学校や中学校に対しては、なるべくビジネスライクに接するようにしました。息子は状況によってはパニックになることがあります。そのため、事前に「こういう時はパニックになります」と予告していました。台風や雪の予報のようなものです。事前に備えておけば、ダメージを最小限に抑えることができるのです。

 

担任の先生のキャパシティを超えるほどの迷惑をかけてしまっては、担任の先生に嫌われる可能性もあります。先生の気持ちを、クラスの子供たちは敏感に感じ取りますから、なるべく集団行動で迷惑をかけないように、先生から嫌われないように、気をつけました。

 

臨床心理士さんの心理検査や、ウィスクの結果が出たら、すぐ学校にお渡しして、本人の特性や得意・不得意は、担任の先生が変わるたびにアップデートしました。夫婦連名で、学校あてのA4文書も作成しました。ビジネス文書で正式に申し入れをしておけば、学校側に配慮を申し出たと言う客観的な証拠になります。

 

地域のお店訪問や料理実習・ミシンの実習・付き添いなどで、学校からボランティアの募集があれば、積極的に参加しました。ボランティアが私一人というパターンも結構ありましたが、大体は5人くらいの参加者がいました。

 

PTA役員にも手を挙げました。役員にはカウントされない、植物ボランティアにも参加しました。植物ボランティアを口実に、週に3回は学校に行けたので、子供にとっては心強かったと思います。

 

運動会のダンスは鬼門だったので、体育の時間に参加して、一緒に振り付けを覚えました。振り付けの練習のほかに、運動会で使用する楽曲を無限ループで流しっぱなしにしました。他のお子さまの3倍ほどの時間をかけて、ようやくちょっと下手かな?という程度の仕上がりでしたが、目立たない程度にはなっていたと思います。

 

楽曲の無限ループは、合唱の発表会や入学式・卒業式など、プレッシャーがかかる行事の時はずっとやっていました。こうすると、本番への耐性がつきます。

 

幼稚園のときは、就学時検診を目指して、ひたすらABA行動療法にはげみました。マンツーマンで療育をしてくれる家庭教師さんに、たまたま出会ったのです。息子は友達ができなかったので、放課後の時間は遊ばずに、療育に充てていました。

 

小学校にお願いした配慮は、机の固定とロッカーの代用かごの使用です。席替えしても教室の中の位置が変わらないようにお願いしたのは、息子が環境の変化に弱いからです。前頭葉のワーキングメモリーが少ない息子は、変化に慣れるまでかなりの時間がかかるので、慣れるまでの期間、ついて行くのが特に遅くなります。

 

その期間を省くため、席を固定にしてもらいました。この配慮は、中学校まで続きましたが、ロッカーの代用の買い物かご使用は、小学校5年生までで終えることができました。このように、支援が必要ないと思うポイントは、薄くしていくのが基本です。

 

教科別に、教科書とノートを色分けする工夫もしました。最近の教科書はカラフルすぎて、目にうるさいため、どの教科かを一目で直感的に感じることが難しくなっています。このため、国語は赤、数学は青、理科は緑、社会はオレンジ、英語は黄色、技術・家庭科は紫、保健体育はグレー、音楽は白、などのようにテーマカラーを決めて、テープを背表紙に貼りました。

 

ちなみに、色分けに使用するテープは、テプラのテープがおすすめです。テプラのテープはとても薄いので、教科書を捌くときに引っ掛かりません。文字を打たなくても、色分けするだけで充分に分かりやすくなるので、ぜひ試してみてください。

 

中学校や高校ではリュックの中で混じり合わないように、透明のファイルケースを使いましたが、このファイルケース自体も色分けしました。教科書・参考書・ノートなど、同じ教科に全て同じ色のテープを貼ることで、教科が直感的に分かるようになります。高校生になった時は、息子が自主的に色分けしました。

 

また、内申点がある中学校以降は、大量のプリント管理の問題が出てきます。学校との連絡用のファイルを作っておくと、便利です。

 

自閉症など、発達障害の子供の場合、中身が何だったかを覚えていないことが多いので、入れ物には透明のものをなるべく使いました。透明やメッシュの入れ物の場合、見てすぐ中身が分かるので、覚える必要がないのです。この「見える化」作戦は、習字セットでも活用しています。

 

工場用の透明ショルダーバッグに習字セットを入れておけば、中身をガサゴソと探す手間がありません。筆まきの代わりには、透明のポーチを使っています。ほかにも、体育館シューズの入れ物、宿泊訓練で服を入れるケース、洗顔セット、お薬入れなどに透明のものを使用しています。

 

また、子供には委員会活動に積極的に参加するよう言っておきました。成績が悪い息子は、低緊張のため姿勢も悪かったので、内申点の態度の点を引かれていました。ですから、学校への心象をよくするために委員会活動をさせたのです。

 

公立中学校に迎合するなんて、と思わなくもなかったのですが、息子の場合は知能がそこまで高くないため、自力で勉強して身を立てるのは難しいと思っています。そのため、敷かれたレールにはなるべく添うように、普通に育てるように気を配りました。