自閉症でレインボーチルドレンの息子には、エゴがほとんど存在しません。それはつまり、自他の境がない、ということになります。
スピリチュアル的には素晴らしいことなのですが、3次元を生きるにはなかなか厄介な特性です。人間は、エゴに基づいた行動がほとんどですから、他人の気持ちが分からない、ということにつながるからです。
しかし、ことアートの分野においては、この特性はものすごい力になります。「うまく描いて褒められたい」「こんなことをしたら変に思われるかもしれない」という雑念が入り込まないため、純粋な感覚追求に専念するからです。
このため私は、息子がギフテッドに近い才能を持っていると思っています。できるだけその能力を発揮させたいので、幼い頃からアートスクールに通わせています。抽象画の能力は素晴らしいです。
とはいえ、他者視線がないということは、変なことを言って他人がどう思うか想像する、というストッパーがないということなので、時々その場を凍り付かせる発言をしてしまいます。
自分と他人の境界線の感覚に乏しいため、人との距離感が近すぎるときもあります。ベタベタするのは、子どもの頃は許されますが、大人になるとトラブルの種になる可能性があります。
また、人間に個性があるという概念が乏しいことは、他人の名前をなかなか覚えられないということでもあります。小学校のときは、入学式の写真で先生からクラス全員の名前を教えて頂き、自宅で本人にインプットするということをしていました。
お付き合いいただいた先生方には、本当に感謝しています。小学校の先生とは、いまだに年賀状のやり取りが続いています。
これからもたくさんの方のお世話になると思いますが、彼の明るい性格もあってか、息子はほとんど学校生活で苦労したことがありません。周囲の皆さま方には、本当に感謝したいと思っています。