息子が赤ちゃんの頃は、とても手がかからない子でした。どことなく老成していて、悟りきった賢人のような雰囲気でした。
出産後はしばらく実家にいたので、免許を取りにいくために家を長時間空けることもありましたが、離れてむずかることはなかったそうです。とても静かな赤ちゃんで拍子抜けしたのを覚えています。
これは逆にいえば、愛着行動がなかったことの証明でもあるのでしょう。東京に戻ってからも、手はかかりませんでした。
しかし生後半年を過ぎて、親子で出かける機会が増えるにしたがって、何かおかしいと感じることが多くなりました。ほかの子どもに比べると、理解力に劣っていたために「何をされるのか」という恐怖心が非常に大きかったためだと思います。
言葉を覚えるにしたがって、理解力が増し、パニックになることが減りましたが、幼稚園から小学校低学年にかけては、本当にパニックの連続でした。一度も死を考えなかったというと、嘘になります。
それでも、恥を忍んで夜を超えるごとに、息子は成長して行きました。いま辛い親御さんも、お子さんの成長を信じて感張って生きて欲しいと思います。