Sasha BLOG

Sashaの療育日記

幼稚園の行動観察

小学校入学にあたっては、普通学級に入るのか、特別支援学級に入るのかという選択肢の前で悩みました。

 

親としては、息子の日常を見ている中で、周りにモデルがいる方が成長しやすいと思っていたので、できれば普通学級に入れたいと思っていました。

 

仮に自閉症の特性が強くても、座学で吸収できる子なら、特別支援学級への進学で学習できると思いますが、息子は概念で理解するというよりは、肌で理解するタイプだったので、支援級に入ると、成長の機会を奪われると思ったからです。

 

そのため、幼稚園時代は、普通級への進学を目指して、放課後の時間をほとんど療育にあてました。家庭教師さんの療育が週に2回、そのほかの平日も、私自身がつみきの会のテキストや四谷学院のセットを使って、言葉を教えていました。

 

ABA行動療法は、言葉は悪いのですが、動物の調教に似ています。「強化子」と呼ばれるご褒美をエサにして、さまざまな情報を入れていくのです。

 

例えば、象の絵とキリンの絵を並べて見せて「象はどれ?」と聞きます。(この時に、机を挟んで正式に向き合うことが大切です)

 

子供が正解すれば、0.2秒以内にお菓子を与える。外れたらあげない。これを、延々と繰り返します。

 

0.2秒以内に強化子を与えることで、脳に強くインプットされるそうですが、とにかく単調な作業なので、教える方も疲れてしまいます。これを、休憩を挟んで一日3時間実施しました。

 

2年ほど経過すると、話もできるようになりました。目を見て話せるようになった時の嬉しさは、今でも忘れないでしょう。

 

幼稚園の年長になって、小学校入学が見えて来ると、どのクラスに就学するかという就学問題が起きてきました。

そのため、年長の春先から教育委員会を訪問し、面談を開始しました。担当は、もと小学校の校長先生の男性でした。

 

とても慈愛に溢れた先生で、入学後にも小学校での適応問題が起きたときに、電話で相談に乗っていただきました。

 

息子の知能検査は、夏に行いました。K式で91という数値が出たので、普通学級への就学が見えてきました。

 

そのため、秋口に教育委員会の判定員に幼稚園に来て頂きました。不作為の3名の判定員が、幼稚園を実際に訪問して、小学校での生活が可能かどうかを観察するのです。

 

結果、3対2で普通学級に就学可能と判定されました。女性ふたりは「彼はパターンで行動しているので、慣れたら適応できる。ただし通級を利用して療育が必要」と判定しました。

 

男性は、完全に分離して療育を行うべきと判定しました。その後の先生方との経験を考えても、男性は引き離して育てたい、その場のノリについて来られない子供は別に扱いたい、という方が多い気がします。

 

この行動観察で、区から正式な書類をいただいたので、その後の就学時検診の校長先生の「こういう子はねえ…」という呆れられたようなコメントにも、対抗することができました。