Sasha BLOG

Sashaの療育日記

自閉症は見たことを忘れられない障害

息子に手厚く接することを、過保護と取る方もおられるかもしれませんが、私がそう接するのは、自閉症が「記憶を忘れられない障害」だからです。例えば、私が怒鳴ったり、意地悪をしたりしたことは、全て息子の脳の中に映像記憶として蓄積されていきます。

 

しかも、時系列で整頓されないので、最近のことも過去のことも、同等に噴出してくるのです。定型発達の人間の脳は、その記憶が自分にとって重要でないと思ったら、取捨選択して、いらない記憶を薄めていくのですが、自閉症の脳の場合、記憶の優先順位がつけられないので、一般的にはガラクタと考えられるような些細なことも、重要な記憶も、すべて等しく覚えていくそうです。

 

これは考えてみたら恐ろしいことで、例えば息子は、何年も前の旅行の際に、ホームにいた電車の車種や塗装、型番などを鮮明に憶えています。また、見たドラマの細部のディテールなとも詳しく覚えています。

 

何年もたって、私がすっかり忘れてしまったことで、同意を求められる時は非常に戸惑います。ドラゴンクエストに「メタパニ」という相手を混乱させる呪文かありますが、息子と会話をする際の私は、まさにメダパニをかけられた状態になります。

 

脳の特性が違うので、なるべく映像記憶には楽しいこと、幸せなことを残してあげたいと考えています。学校の教員の方にも気をつけて欲しいので、夫婦連名の書類を提出していますが、それでも泣かされて過剰な指導を受けたことはあります。

 

周囲も私も含めて、トラウマを残さないように、今後も気をつけていきたいものです。